まったく望まない出張が無事に終った。
私のイヤな気分がそうさせたのか、モロッコからオランダに行って一泊するはずが、モロッコでチケットトラブルが発生してフランクフルトに飛んで成田便に乗り継ぐ事になった。 つまり、一日早く帰国することができた。 それまで順調すぎるほどに旅程を消化していたというのに、最後の最後でこんなどんでん返しがあるとは、まさに「インシャ・アッラー」(神のみぞ知る)である。さすがイスラム圏。 それにしても、連休最終日だというのに、よくチケットが取れたものだ。モロッコ王国航空あなどりがたし。 ところで、アイルランド、モロッコ共に、つたないながら現地語を話すようにした。 といっても、「こんにちは」と「ありがとう」程度だが。 アイルランドでは私のゲール語は思うように通じなかったので早々に英語に逆戻りしてしまったが、モロッコでは私のアラビア語が意外に通じるようだったので、現地人がフランス語で「ボンジュール」と言ってきても「アッサラーム・アレイクム」(こんにちは)と返し、車から降りる時、買物をした時には「シュクラン」(ありがとう)と言い続けてみた。 同行者は英語が得意ではあるが、頑張って「ボンジュール」と「メルシ」を話していた。 しかし、それを聞く現地の人々の態度は違っていた。 フランス語で話す人には、一応頭を下げるといった感じ。 多少なりともアラビア語を話す人(この場合は私)には、胸に手を当てて頭を下げるというアラビア系の丁寧な挨拶をしてくれた。これは驚きであった。 年齢的にも地位的にも上位な同行者を差し置いて、私ごときに丁寧な挨拶なんて… 先に書いたモロッコの空港でのトラブルの際にも、出発の時には問題を解決してくれた空港職員や現地採用の大使館員の方々に「シュクラン、シュクラン!」と大きな声で言い続けながら飛行機に乗り込んだのだが、通り過ぎる度、誰しも一様に一瞬驚きの表情をしていた。 でも、次の瞬間に顔に笑顔をたたえ、手を胸に当てて「シュクラン」と言ってくれた。 そりゃ驚くわな、それまで日本語・英語・仏語で文句言ってた人が突然「アリガトウゴザイマス!」なんて言うんだもの。でも、そんなに丁寧に挨拶いただくと申し訳無いっす。 歴史的背景を云々言うつもりはナイが、こういう「ちょっとしたこと」って大切なのかもれない。
by Coopiecat
| 2007-05-16 22:44
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