本を買うこと・本を読むこと 3

さて、最近読んだ書籍紹介。

読了(読書)の時系列を抜きにして、最初に挙げたいのはこの一冊。

●「良心を持たない人たち 25人に1人という恐怖」 (マーサ・スタウト著 木村博江訳 草思社)

 この書についてコメントする前に、まずは簡単な心理テストをしてみましょう。思い当たる項目の数を数えて下さいまし。

・社会的規範に順応できない
・人をだます、操作する
・衝動的である、計画性がない
・カッとしやすい、攻撃的である
・自分や他人の身の安全をまったく考えない
・一貫した無責任さ
・ほかの人を傷つけたり虐待したり、ものを盗んだりしたあとで良心の呵責を感じない

さて、いくつありました?同書によると、「ある個人にこれらの“症状”のうち三つがあてはまった場合、精神科医の多くは反社会性人格障害を疑う」ということです。さすが精神疾患先進国アメリカ。何でも病名つけちゃうのね。

もうひとつ

・口の達者さと表面的な魅力
・人を惑わせて危険な冒険に引きずりこむ。共通して病的に嘘をつき、人をだます。あるいは“友人”に寄生虫のように寄りかかる。
・口では愛していると言いながら、その愛情は底が浅く、長続きせず、ぞっとするほどの冷たさを感じる。

同書によると、これが「サイコパス」の特徴。「サイコパス」の和訳はしませんが、「ソシオパシー」の方が私は好み…というか「まだまし」と思います。
この本、ある意味で危険です。その理由は3つ。

1:心理学の質問項目って、いわゆる「心理ゲーム」みたいな感じで受け止められがちだし、その結果が個々人の定義のようになってしまいがちだから。

2:アジア、特に日本では率が低いように述べられているけれど、そんなこたぁ無い。上記の項目でチェックするならば率は高いはず。
なぜなら、心理学の質問項目には「質問に対する偽答性」を誘発するような質問が紛れ込ませてあったり、時に係数を掛けて統計化するみたいだけれど、「本音と建前」で生きるアジア人、日本人には偽答への対処なんてチョロイもんじゃないかなぁ?
これでアジア人、日本人は安心しちゃイケナイ。

3:最初のうちは「あるある!」とか、「こういう人って居る!!」と笑っているけれど、だんだん笑えなくなってきます。そのうち、自分にも置き換えてみたりして「?!」となってしまう。

とまぁ、この書籍が最近読んだ書籍の中で「ある意味衝撃を受けた一冊」でした。


●「私はフェルメール 20世紀最大の贋作事件」 (フランク・ウイン著 小林頼子・池田みゆき訳 ランダムハウス講談社)
 オランダの誇る画家、フェルメールの贋作家として有名(笑)なファン・メーヘレンについてのドキュメンタリー。直接的では無いにしても自身の職業に関連するテーマなだけに、背後で行われている事象が興味深い。加えて、メーへレンの行動は心理学的にも興味深いものがある。が、である。仮に事実であったとしても、諸所に出てくるように「メーヘレンは精神的欠陥を持っている」という前提で展開しているので客観性に欠ける気がしないでもない。とはいえ、面白い書籍であることは確か。

●「モーティマー夫人の不機嫌な世界地誌 可笑しな可笑しな万国ガイド」 (トッド・プリュザン編 三辺律子訳 バジリコ)
 一種の「奇書」である。19世紀の有名なイギリス人作家、ファベル・リー・モーティマー女史による、彼女の頭の中で若干の資料を基に展開される独断と偏見に満ちた世界案内。
たとえば日本は「日本人はとても礼儀正しい国民です。(中略)学問があって、読み書きができ、地理と算術と天文学の知識があります」や、「日本には邪悪な風習があります。自らの命を絶つのは大きな罪ですが、日本では、皇帝を怒らせた廷臣は自らの剣で体を切り裂く風習があるのです。少年は五歳の頃から、この恐ろしい技を学び始めます」といった感じ。
読んでいて、確かに不機嫌になります。(笑)
でも、これを「作者の偏見!」や「当時の世界認識」と笑うのは容易な事だけれど、現在出版されている旅行書も似たような感じなんじゃないかなぁ?とか、海外旅行者(特に海外通、旅慣れていると自認している人)の意見と大して変わらないような気もしてきます。

●「誰も知らない 国語辞典出生の秘密」 (石山茂利夫著 草思社)
 「無人島に一冊だけ本を持っていくとしたら何にする?」という質問があると、私は「国語辞典」ないし「広辞苑」と答えます。その国語辞典が生まれるまでの編集や出版に関する裏話が面白い!
ところが…著者は「はじめに」の中で「辞書の名はどれも似ていて識別が難しい。そこで本書は『コージ苑』『新潮コクゴ』『レイカイ』など視覚に訴える表記を用いた」と書いているのだが、私は未読だが存在は知っている相原コージ氏の「コージ苑」を連想して仕方が無い。この配慮は必要だったのだろうか?と思う。というより、正直申し上げて読みにくくなっているだけの印象を得た。本当に面白いだけに残念!

●「数で考えるアタマになる! 数学オンチの治しかた」 (ジョン・アレン・パウロス著 野本陽代訳 草思社) ←再読&未読了&再読&未読了…(以下くりかえし)
 読み終えない。「数字オンチで悪ぅござんしたね!」という苛立ちが先立ってしまふ…。

●「ラテン語の世界 ローマが残した無限の遺産」 (小林 標著 中央公論新社)
 厳密さを追い求める故の法則性等ラテン語の文法的な解釈はもちろん、ラテン語の歴史的背景も広範に押えていて面白い。著者は研究も深い方なのだろう。それ故の印象なのだが、「私は専門外なので知らないが、こう思っている」と、リスクある部分は切り捨てているように見せながら自身の論旨を展開するという論文調の言い回し(テクニック?)が頻出する事に若干違和感を感じてしまう…。

●「実録・アメリカ超能力部隊」 (ジョン・ロンスン著 村上和久訳 文藝春秋)
 大笑い。アメリカ軍に実在した(している?!)超能力を使用する部隊についてのオハナシ。もうね、笑うしかありません。引用もしません。したくもない。
アメリカの素敵な一面(笑)が見えます。
[PR]
by coopiecat | 2007-10-27 21:12 | 書籍
<< 久々の撮影会 写真を撮りたい >>