I OK、You OK。
You OK、I OK。 All OK。 これは私が月に一度参加している心理学の勉強会で幾度か聞く言葉である。 大変含蓄がある言葉である。 これを私は「自分が納得できると同時に、相手を認めるということ」という事と解釈している。 これを「相互依存」と言ってしまうと聞こえが悪い。しかし、「持ちつ持たれつ」と考えれば判りやすいだろう。 好例に「時間の使い方」が挙げられる。 誰かが誰かに会うなり電話するなりの場合、個々の時間ではあるが、共通した「時間」、お互いに与えられた「限られた時間」を双方でシェアしている事に他ならない。 つまり、「自分が誰かの為に時間を使う」ということは、すなわち「誰かが自分の為に時間を使ってくれている」という事を意味しているのだから、その時間は自分の為にも相手の為にも有効に使わなくてはならないと考えることが大切なのだろう。 似た事例として「善意の行為」が挙げられる。 自分自身が「良かれ」と思っていても、相手が求めていない場合、相手は「ちょっと…」な気分になる。そこで「善意」を主張しても筋違い。それは独善であり、理解しない相手に怒りをブツケたりするのは大きく筋違いな話。 更にそこに「自分にとって良いと思うから」という意図があったとするならば、その行為は善意ではなく悪意でしかないだろう。 同様に、相手が求めている物だけを与えつづける行為にも問題がある。 相手が喜んでいるうちは良いのだろうが、それに乗じていると感じられた場合には控えるのも肝要だろう。 本質的な部分で相手の為にはならないし、最終的に自分自身が失望を感じるのがオチ。 それを「裏切られた」と感じるのも結構だが、結局は「優しさ」と「甘さ」を勘違いしていた結果であり、自業自得とも言える。 結局は「相手を喜ばせている自分自身」という幻想に惑わされているに過ぎない。 その時相手は何を考えているかは判らない。 「自分に時間を使ってくれている」と思っているかもしれないし、「自分に時間を使ってどうしようと思っているのだ?」とか、「(色々な意味で)しばらく自分に時間を使わせてやろう」と思っているかもしれない。 これを疑っていてもキリは無いし、途中で良くも悪しくも変化する場合があるだろう。 見定めるしか無く、その時々で方向性を変えなくてはイカンのだろう。 I OK、You OK。 You OK、I OK。 All OK。 とても簡単な文章の集合体だが、そこに含まれる意味は深い。
by coopiecat
| 2007-11-06 23:35
| ことば
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