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まだまだ足りない。

色々と資料を見ていて楽しいのは新たに記載を発見した時で、探し続けて発見した時はもちろんのこと、思わぬ発見をすると喜びは一入です。

さて、アメリカで公開された特許を閲覧・ダウンロードできるものにアメリカ特許局及びグーグルパテントがあります。ここで調べ物をしているときに「!」と思い立って調べたのが「ペンタコンシックス」から採用された巻き止め検出機構。
調べてみると、「Film Transporting Mechanism For Photographic Cameras」の名称で、出願者はHans Zimmet, VEB Pentacon Dresden Kamera und Kinowerkeで、1966年4月15日申請、1969年7月15日に米国特許番号3,455,224として登録されていました。何より嬉しいのは申請の際に添付している機構図が詳細で、解説が丁寧になされている事。これは機構の理解はもちろん、修理にも随分役立ちそうです。

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まだまだ足りない。_c0039094_2254618.jpgさらに面白いのは、この特許の参考特許として米国特許番号2,148,636が挙げられています。次にこれを調べてみると「Film Feed Mechanism For Photographic Roll Film Cameras」という名称で、出願者はWalter MullerとWillhelm Priesemann、Franke & Heidecke Fabrik Photographisher Prasisions Apparateで、ドイツ特許1937年2月20日、米国特許申請が1938年2月12日となっています。
これはFranke & Heidecke Fabrik Photographisher Prasisions Apparateの名称があるように「ローライフレックス」のフィルム自動巻止め機構に関する特許で、これもまた機構解説が充分。大変参考になる資料です。


続いて、イタリアの「REFLEX」という雑誌のバックナンバーを眺めている時に発見した、1980年12月号の「IVAN FOTOGRAFO DI UNIONE SOVIETICA」というソビエト関連の記事。半分忘れかけていたのだけれど、1980年はモスクワオリンピックの開催年。その関係で、このソビエト関連記事も生まれたようでした。

色々とソビエトの写真状況が書かれている中でカメラに関する記事もあり、「ペンタックス6×7に似たキエフ」というのが登場しています。

その中で最も興味深いのは「キエフ ゲリオン645」(KIEV GERION 645)というカメラが写真入で紹介されていること。45×65ミリの画面を撮影する中判カメラとなると後の「キエフ90」か?とも思うけれど、「キエフ ゲリオン645」はモータードライブ内蔵で70ミリフィルムを使用するという点が異なる。

写りが良くない写真から想像するに、70ミリマガジンと70ミリマガジン用ロングアイピースファインダを装着した「ハッセルブラッド500EL/M」に「ホースマンプレス」のグリップを装着したような感じの外観。そして、「ゾディアック8b」(30mm魚眼)であり「ミール45mm」、「カレイナー150mm」、それから「ヴェガ」か「ヴォルナ」?というレンズがカメラに装着されて展示されています。

おそらくこれらは「キエフ6」系と同じマウント。つまり、いわゆる「P6」マウントなのでしょう。

うぅむ、まだまだ研究(?)しなくてはなりませぬ。
by coopiecat | 2008-06-12 23:10 | カメラ/写真
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